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14章:TAD UNIT分割低域 エンクロージャー設計

TADユニット適合エンクロージャー製作

1:エンクロージャー用木材に関してはバッフル板 天板 底板 側板 裏板 10章11章参照。
2:エンクロージャーの木材としては音の遮蔽効果のある、重くて硬い木材。
3:木材は音の振動減衰の特性が優れている材質が好ましい、[響きの良い木材]。
4:加工性、経済的なことから現在のベニアコア合板、パーティクルボード、MDF、その他の素材に特殊合板ではランバーコア合板、集成材、オーバーレイ合板等があります。
大口径ユニットでのエンクロージャー製作では特に天然材の使用が最良であり、単板自然乾燥無垢材がユニットの特質が生かされ振動にも適していると考えます。
また特性的にも安定し、音質も向上します。

TAD木組によるエンクロージャー製作

1:接合面の強度。
2:接合面の空気漏れを防ぐ。
3:長期間において狂いが生じない。
4:仕上げ面をきれいにする。
5:直方体にて直角の精度の確実性。
6:切削の寸法精度や切削仕上げの考慮。

エンクロージャーの木工技術は探究心と高度なる技の追求が要求されます。
木組みはバッフル板と胴板[天井板.側板、底板]の接合面を強固にします。
木口処理に対しての直角における精度に関しては嵌込打付[ハメコミ]接合、包嵌込付[ツツミハメコミ]接合、留形嵌込付[トメガタハメコミ]接合、雇核[ヤトイザネ]における接合方法が木組みの精度をよりいっそう強固に接合します。

ENCLOSURE木組組立
ENCLOSURE木組組立

木組完成
木組完成

TAD 振動と補強対策

エンクロージャー製作における大事な対策であると同時に入力信号にも影響が生じます。
スピーカーの振動板が動作するとき、振動板への駆動力に対し反作用が発生しますので、その力が磁気回路、フレームに影響を与えバッフル板が振動し、エンクロージャー全体に影響、入力信号損失となり音質劣化の原因ともなります。
さらに振動板背面から放射された音により、内部に定在波や共振も同時に発生します。
この結果は音響工学の振動解析でもふれており、この影響は過渡特性を悪化させ、中低音、中高域の音質エネルギーの損失ともなります。
エンクロージャーの完全な振動抑制、特定周波数のエネルギー分散、フレームの剛性強化、等あげられますが基本的にはバッフル板の素材、密度の高い材質と厚みのある材料、木材の接合の強固、隅木補強、補強棒の強化等がその振動抑制手段となります。

TAD UNIT取付方法

取付整合のふつりあいはバッフル板の振動を強調させます。
最も大事なことは磁気回路が振動してフレームが動かないことです。
特定の周波数で共振が発生しない為に剛性の高いバッフル板に確実に取り付ける事が必要です、ユニットを強固に取り付けるには全面よりTナット、鬼目ナットでネジ止め固定します、理由としてはネジ締め時にナット側が回転しないように爪が必要なためです。
フレームを受け持っているフロントリングにはオリジナル木工技術による振動抑制の木製囲リングにて強化も施されています。

TADエンクロージャー定在波対策

内部吸音処理で厄介なことは内側の対面する両面の距離が長くなると発生する定在波は周波数が低くなり、吸音材の吸音率が低下します。
グラスウール吸音材やフェルトの吸音材の吸音特性は、低い周波数では吸音率が低く、吸音効果は悪くなります。
薄い吸音材を多量に入れると低音の躍動感が失われ音質面でも逆効果になります。
現在は構造を工夫して補強板のような構造で定在波を遮断する方法もとられております。
最近は木工技術も進み多様の設計方法で定在波に取組んでいます。
基本的には側面及び後面の平行面を避けべきかと考えます。
TADユニットに対する装着エンクロージャーは全ての方法論に合わせもつ設計工夫、バッフル振動対策、ユニット取付対策、内部における定在波対策等の問題も考慮した重硬で弾力に富む木材で木組みしており、実測としても一切の問題は発生しない剛性なエンクロージャー設計の仕組みとなっております。

13章:低域エンクロージャー分割方式15章:TAD UNIT 7WAY