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4章:広帯域再生出力に挑戦

TAD低域分割方式に挑む

軸上特性と出力特性をフラットで均一な特性にすることは難しい事ではありませんが、モニターユニットでのシステム場合は高出力レベルにおいて全帯域にわたり出力特性を均一化することが難しいといわれます。
モニターシステムで再生する音源の特性は、中域の成分に比べて超低域および高域の成分は少なくなり、特に高帯域特性となると電子楽器 シンセサイザー等はそれぞれに広帯域出力特性が必要となります。低域特性は入力信号により変化します。
オルガン再生場合は低域特性限界よりもさらに低い帯域まで必要ともします。
システムの周波数帯域を広帯域化するとなるとユニット構成を細分化し、特性を広帯域にすることが必要となります。それは周波数特性に関しても有効であると考えるからです。
同一タイプのユニットシステムではマルチウェイにて細分化で構成したほうが広帯域全体わたって出力も多くなります。
今回の製作である低域はそれぞれの周波数を分割設計することとなります。
TAD UNIT直径464mm[TL-1801]の3WAY低域分割方式を設計。
*超低域における楽器の響きまで無限に再現させるサウンドを考えるとエンクロージャー設計には特に大きな重要ポイントが課せられます。

*超低域
高忠実度再生に必要な*周波数範囲[スノー]を参考にすると楽器の音域の広さでは、パイプオルガンの低域周波数成分がもっとも多く、またレコードでは楽器よりも低い周波数成分を入れた音源も存在します。
重要なことは楽器の音の強さ[音圧]ではパイプオルガン、ティンパニー、バスドラムが最大となり110dBの音圧が生じます。再生もそれに比例しエンクロージャーの設計も大変となります。
楽器の必要とする再生帯域は20Hz〜20,000Hzとなりますが、実際にオーケストラの音圧を測定した*ピーク曲線を参考にして考えると意外に全域にわたり*楽器のエネルギーが生じていることがわかります。高域でも小さなアンプでよいと考えることは成り立たなくなります。オーディオでの楽器再生ではピークも完全に再生させる必要が生じてきます。

*周波数範囲
楽器の音の強さはオルソン強度レベル(dB)
*楽器のエネルギー[ピーク曲線]
オクターブバンドにおけるオーケストラの音圧レベル
オクターブ帯域内のピーク音圧レベル(dB)と周波数(Hz)との相対曲線

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